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日本語の「の」は難しい [英語]

こんにちは。
家庭教師の知力会です。

先日英語の授業の前に、こんなことを聞かれました。

「あなたの後ろに」の「あなたの」は、「の」があるのになぜyourでないのか。

一瞬、質問の意味が分かりませんでした。
このような質問を受けたのは、初めてだったからです。
ですが、少し経って理解しました。
「この生徒は、『の』の使い分けを自然に出来ていない」と。

試しに「の」を広辞苑で引くと、ここで紹介しきれないくらいに用法が載っていました。
つまり、なんとなく使い分けが出来るのが普通かもしれないけれど、
中にはそれが出来ない子もいる可能性があるレベルの内容だということです。

では、先ほどのものをどう処理するか。
そこで僕が思いついたのが、

「あなたの」を先に考えず、「後ろに」から先に英語にしてから「あなたの」を考える

という方法でした。
こうすれば、
「後ろに」=behindですから、それにyouをつけるとするとbehind youになります。

一方、例えば「あなたの鞄」でしたら
「鞄」=bagですから、youはyourになり、your bagとなります。(所有、所属)

他にもいろいろなケースがあります。

・「東京の母」
「母」=my motherなので、「東京の」=「東京にいる」ですから、my mother in Tokyo。

・「いとこのトム」
「トム」=Tomなので、「いとこ」=「いとこである」ですから(同格)、my cousin Tom。

などです。
英語にすると、まったく異なる表現になりますが、日本語だと全て「の」です。
日本語学習者にとって、なかなか高い壁になりそうです。

このあたりの日本語のニュアンスは、自然に分かる子とそうでない子がいます。
ただ、そうでない子は少数なので、見逃されがちです。
そして、英語が苦手な子の中には、実はこういった子が潜んでいます。
これはつまり、英語を教えるときには英語だけを理解していてもダメなケースがあることを意味します。

今回の件は非常に勉強になりました。
質問してくれた生徒さんに関しても、保護者の方に「日本語の理解が怪しい」とハッキリお伝えしました。
ご家庭でも気にしていただくためです。
(というのも、日本語について授業をする時間が無いためです)

意識するだけでも変わってきますから、日本語の理解について早く気付くことが大切です。

多言語の学習で、母国語の理解が深まる。
そのことを、より一層実感できた出来事でした。


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