2015年 灘中 第一日 ６番 ～循環小数について～ その1

４月になりました。
せっかく満開になった桜も、今日から続くらしい悪天候で、散ってしまいそうですね・・・。

さて、春期講習も終盤にさしかかった塾も多いと思います。
うまくこの春休みを過ごせた方も、そうでなかった方も、新学期に向けてペースを整えていきましょう。
暖かくなってきたことですし、短時間でも良いので朝学習を取り入れるのもオススメです。
計算、昨日の復習・・・などなど。
一層充実した日々を送れることと思います。

さて、前回に続いて入試問題の紹介です。
2015年、灘中学校の第一日、６番です。



この問題の難しいところは、まず小学生が循環小数を深く理解できていることは稀であるという点に集約されます。
確かに、規則性の分野で循環小数を扱いますが、あくまで「繰り返し」を見出すのみであり、循環小数の理解は要求されません。
よって、循環小数を「知って」はいても「分かって」はいない小学生がほとんどでしょう。

さて、この問題の説明に移ります。
この問をある程度理解して解くには、以下のことを知っている（悟っている）必要があります。

①割り算によって循環小数を示す分数は、分母が同じであれば分子が変わることで「循環の組」は変化する
②一つの「循環の種類」から多数の「循環の組」が出てくる

※説明のために、「循環の組」と「循環の種類」の語を使い分けています。
「循環の組」とは、例えば1÷7＝0.142857・・・となった場合の、「142857」です。この「循環の組」は、順序を考慮します。
対して「循環の種類」の方は、順序を考慮しません。1÷7の例で言えば、(1,4,2,8,5,7)の組となります。


①に関しては、何となく分かっている小学生も多いでしょう。問題は、②です。
分かりにくいので、簡単な例を挙げます。
上にも挙げましたが、分母が7の場合ですと・・・

1÷7＝0.142857・・・
2÷7＝0.285714・・・
3÷7＝0.428571・・・
4÷7＝0.571428・・・
5÷7＝0.714285・・・
6÷7＝0.857142・・・

となります。
お気づきかと思いますが・・・なんと、「循環の組」は変われど、「循環の種類」は変わっていません。
さらに言えば、(1,4,2,8,5,7)の並びが「どこから始まるか」が異なるのみです。

これは実際に計算していればわかることですが、割り算の途中で出てきた余りの数字が決まった時点で、 その後の並びが決まることから、ある程度納得できます。
例えば、1÷7を計算すると、最初に0.1と商が立ったあと、余りは3（もちろん0.3のことです）が出てきます。
よってそのあとは「428571・・・」と続きます。
3を7で割るのと、同じになりますからね。

それに加え、「ある数で割った余りの種類はその数よりも一つ少ない」ことを知っていれば、より納得できるのではないでしょうか。
この場合、7で割った余りは1～6ですので、6通りの並びがあるのは不思議ではありません。

要するに、1～6のどの数字を7で割ろうとも、計算の途中で必ず1～6のいずれかの余りが出てくるため・・・
結局のところ、同じ並びになってしまうのです。
異なるのは、最初に何を割るか。その一点のみです。


では、分母が13の場合はどうでしょう？？
この説明は・・・次回へ持越しです。
ご興味ある方は、試してみてください。
「おや？」と思ってしまう結果が待っていることでしょう。



さて、現在の募集状況についてです。

今月だけで2件の生徒さんが増え、また春期講習中と追加授業が多く入りましたので、春休み終了までは新しい生徒さんを受け入れることが難しい状況です。

生徒さんの募集自体はまだ停止する予定はないのですが、基本的には4月8日以降からの指導開始となります。(即ち、4月から開始分の予約をお受けする形になります)

4月以降は、

月曜日(一日）、金曜日（一日）、土曜日(AM〜夕方)

に主に空きがあります。その他時間帯についてはご相談下さい。場合によっては手配可能です。

体験授業などは随時日程の空きがあり次第、お受けいたします。お気軽にお問い合わせ下さい。


しばらく、今年度入試の問題についての記事が続きます。お付き合いいただければと思います。


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